会報「しゃがぁ」

モンゴル情報紙「しゃがぁ」は94年春に
「モンゴルとはいかなる土地で、そこに住む人々はどのような人々で、広いモンゴル高原でどのように生活しているのか」
を広く伝えていく為に創刊され、発行当初は8p(フルカラー4p、単色4p)で年4回発行されていました。当時発行されていたモンゴル関連情報諸紙の中で、唯一のフルカラー印刷情報紙でした。インターネットがまだ広く利用される前で、集められるモンゴル関連イベント情報なども取り扱う情報紙として発行を続けてましたが、2003年4月より大幅リニューアルしました。ネットによる情報収集が一般的となったことから情報紙ではなく、読み物としての性格を強くさせ、ページ数を増やして、年2回発行としました。、その後、2008年の編集室の法人化にともない、NPO法人しゃがぁ賛助会員の方々に会報として年1回、郵送にてお手元にお届けする冊子となりました。

長く、深く現地の人々とおつきあいし続けなければ得られないたくさんの情報が満載です。バックナンバーも販売していますので、どうぞ、ぜひ、いちどお手にとってご覧になってください。

新規賛助会員に申込いただきましたら、お好きなバックナンバーを3部プレゼントしています。

バックナンバーは

vol.2~36(8ページもの) 200円
vol.37~45(20ページもの) 500円
vol.46~(32ページもの) 1000円
最新号から3年前まで 1500円
(送料別途かかります。お問い合せください。)
にて、おわけしています。


 「しゃがぁ」ってなんだ?

「しゃがぁ」とは、羊のくるぶしの骨の名称です。一頭の羊からは2個の「しゃがぁ」が取れます。故に「しゃがぁ」が沢山ある家はそれだけ沢山の羊を殺して食べることの出来る裕福な家ということになります。この「しゃがぁ」ですが場所によって呼び方が違います。「しゃがぁ」というのは中国内モンゴル自治区の一地域とモンゴル国の一部の人間が使う呼び方のようです。一般にはモンゴル国では『シャガイ』、内モンゴルでは『シャー』などとそれぞれ呼ばれています。
モンゴル国では「しゃがぁ」の4面にそれぞれ家畜の名前が付けられています。この名前については地域によって違いがあるようです。ラクダ、馬、山羊、羊が一般的ですが、山羊のかわりに牛が配置されたりする地域や家畜の名前を付けない地域などもあります。本紙題字「しゃがぁ」の文字はラクダ、羊、馬、山羊の順番でデザインしました。何人かのモンゴル人達に聞いたことから考えると、家畜の多い田舎では「しゃがぁ」を家畜の他、様々な動物に例える傾向が見られるようです。
「しゃがぁ」はモンゴル地域に広範囲に普遍的にあるおもちゃの王様ともいうべきものです。日本におけるおはじき、お手玉のような遊び方をはじめ沢山の遊び方があります。牧民の子供たちはお気に入りの「しゃがぁ」というのがあってとても大切にします。遊び方は本紙にて紹介しています。また、編集室ではリーフレット「シャガイの遊び方」を販売しています。日本で唯一の遊び方指南本です。


しゃがぁリニューアルに関して
以下はリニューアルをしたvol.36に掲載したお知らせです。

モンゴル情報紙しゃがぁをいつもご愛読いただきありがとうございます
創刊したのは94年のことで、発行号数も今号で36号を数えるに至りました。
時々、発行が遅れたり、事務の不手際などご迷惑をおかけしながらも、ここまで、発行を続けられたのは、ひとえに読者の皆さんの暖かい励ましがあったからです。本当にありがとうございます。
さて、今までしゃがぁは3,5,9,12月というように年4回発行して参りました。季刊で、季節のモンゴルをと思っていたからです。
残念ながら、思ったように季節感を伝えるに十分な資料、記事を得られずにいたこともありましたが、出来るだけ踏み込んだ 内容で、モンゴルを伝えていきたいと努力してきたつもりです。
しかし、近年、パソコンの普及に伴う、インターネットの発展はめざましく、情報はネットから、リアルタイムに得られるのが当 然という状況になってきました。実際、1996年にはわずかに十数カ所しかなかったモンゴル関連サイトは今では、数え切れ ないほどになっています。更にモンゴル語や英語、中国語でならば、現地のニュースをダイレクトに入手することも可能です。
しゃがぁも1996年4月より、インターネット上での活動を始めました。HPでは、イベント情報、書籍データベース、ギャラリー、 ライブラリー、留学情報、旅行情報、援助関連情報、掲示板、しゃがぁオリジナルグッズの紹介、PCモンゴル化計画など、 様々な情報を提供して、今では、多くの方の認知を得るに至っています。また、メーリングリストを開設したことによって、 メールを利用した情報交換がに日常に行われるようになりました。そのため、年4回発行の情報紙しゃがぁでは、情報に 追いつけなくなってきています。もちろん、パソコンやインターネットを利用していない方には、紙媒体の重要性は変わらない のですが、以前よりモンゴルに関する書物やニュースも増えている現在、しゃがぁ本紙の位置づけも変わらざる得ないと言う 状況になったと認識しています。
また、ネットでの情報が氾濫すると共に、「情報はただで手に入れて当然」という風潮が流れはじめ、同時に「情報を売る」こ とに対して、冷たい対応がされるようにもなっています。情報伝播形式として検索性だけが高められ、そこで得られる情報に は「客観的」と「正確さ」が求められます。しかし、この結果、「情報源であるインフォーマントの人間性、感情」や「最初に情報 化を行う者の想い入れ」などを軽視する言説も耳にするようになりました。第一次情報を得、それを形にする作業、努力に対する正当な評価がされにくくなって いると感じざるを得ません。
情報紙しゃがぁはモンゴルの様々な顔を直接取材し、そこで得られた情報を形にして伝えてきました。沢山のモンゴル関連 書物が出版される中、しゃがぁほど、深く、マニアックに土地やテーマを扱っているものは無いと自負しています。ですが、 「情報紙」という位置づけでは、今のインターネットを始めとする情報速度に追いついていけないのも事実です。
そこで、編集室は、しゃがぁ発行を年2回に減らし、ページ数を増やすことを決定しまし た。従来発行の2回分のページ数であ る16ページは最低限確保し、余力があれば、更にページを増やそうと思っています。ページ数を増やすことで、「情報紙」から 「情報誌」へと変わろうと思います。内容は、「読み物」的要素を高め、紀行文、民話、インタビューなどを中心として連載して いく予定です。発行時期は、5月と11月の二回です。購読料は据え置き、年2000円のままです。
また、いままで、出来るだけ沢山の文字情報を伝えようと、広告を掲載せずにやってきましたが、ページ増にともない、広告 掲載をしようと思います。ですが、今までの情報量より増えることはあっても、少なくなることは絶対にありません。
これにより、次号は5月にVOL37&38としてお手元にお届けします。
新「モンゴル情報誌しゃがぁ」をどうぞ楽しみにお待ち下さい。

2003年1月
モンゴル情報紙しゃがぁ編集室
代表・西村幹也